『ダイナマイト・トラベラー』を思い返して
のんびりのんきな春の麗らかな日に、友人と曳舟に向かいました。
弓指寛治さんのソロエキシビジョン『ダイナマイト・トラベラー』を見に。
フライヤーに描かれている二人は、末井富子さんと、その浮気相手である霊司さん。
二人は1955年に岡山の山奥でダイナマイトを使って心中したそうです。
弓指さんは、ダイナマイト心中事件の起こった岡山県の吉永町のあたりを、富子さんの息子さんの末井昭さんと親戚の清美さんの案内で巡り、
このエキシビジョンでは、その旅を題材とした作品と、心中事件を題材とした作品とを混ぜて展示していました。
現在と過去、そしてその時間軸に存在する人物が交錯して、映像作品を見ているような感覚も覚えました。
残念ながら写真はないのですが、弓指さんが夜ドライブをしていたら偶然会ったという鹿の絵が印象的でした。
かなり個人的な話ですが、この絵を見て、数年前に近所で偶然出会った友人のことを思い出しました。ばったり出会ったその日が最期でした。
鹿の絵を見てそのことを思い出したと言うと、弓指さんはすぐにその感覚を理解してくれて、なんというか、少し感動を覚えました。
自殺はあまり良くないけれども、自殺した人をすべて否定することもできないというのが私の感覚です。
今回、ポップという声が来場者からあがっていました。確かに作品にはポップな部分がありました。死にも暗いだけでなく明るい側面があるのでしょう。
弓指さんはわれわれにとても丁寧にギャラリートークをしてくれました。
おかげでとても良い時間が過ごせました。
最初、私が、おっ!ここから入るのか!と会場の扉を開けたら、「そこは出口や!」といきなりツッコミをさせてしまいましたが…。笑
まだまだ会期中ですので、おすすめです。
最寄り駅は京成曳舟駅です。
弓指寛治ソロエキシビジョン
ダイナマイト・トラベラー
会期
2019年3月2日~3月17日
会場
シープスタジオ
住所
東京都墨田区京島3-20-9
開館時間
13:00~20:00